アルザスの聖オディール

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アールヌーボー様式の装飾が美しい聖オディールのメダイ。

裏面には『SOUVENIR』の文字が刻まれていることから、聖オディール修道院か、聖オディールの像のあるオアンブール女子修道院の巡礼のスーヴェニールであることがわかります。

生まれつき盲目であった彼女は、洗礼の際に視力を回復しました。

しかしながら、聖オディールのメダイや書物など、殆どの場面において視覚障碍を持つ方のような表情で描かれています。

そして、開いた両眼は聖女の顔ではなく、手に持つ書物（ベネディクト戒律）の上にあります。

このメダイにもそのような描写がなされています。



その理由は、聖オディールが与えられた視覚を自身のためではなく、神のために使っているからです。

視覚を取り戻した彼女は、その後の人生の全て、知情意の全て、五感の全てを神に捧げました。

自身を神に捧げた彼女は、一個人としての自らの立場で物を見る眼を放棄して、神のうちに生き、すべてを神のために見ることで、心の目、無限の精神世界から視る特別な視力を手に入れました。

開いた両眼が聖女の顔ではなくベネディクト戒律の上に描かれた聖オディールの像は、彼女の生き方を可視的に表現したものなのです。


修道戒律に重ねて表現された二つの眼は、知情意のすべて、五感の全てをを神に捧げた彼女の生き方を象徴しています。

そして、聖人の列に加えられたオディールがアルザスを見守り、さらには世界の人々を見守る眼を表しています。


聖オディールは、視覚障がいや目の病気を持つ人のみならず、スピリチュアルな視点、愛の視点、心の目に光を当てたいすべての人の守護聖人です。


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フランス製
1930年代
重量:2.3グラム
寸法:2.5～1.1cm。